|
ずっと、ずっと。
待ち望んでいた。
お前が俺のもとにやってきてくれるのを。
―――ついにこの時がきた。
今か今かと待ちに待っていたこの瞬間。
苦しげに胸を抑える。その近くには転がり落ちたお茶の入った湯飲み。
何かを言いたげなの瞳にただ笑みを浮かべる。
「とても苦しそうだな」
そんな風にさせたのは久々知だというのに、白々しく言う。
頬を赤くさせて震える腕で自分を抱きしめて耐えるに近づくとそっと頬に手を伸ばした。
「・・っ!」
「熱でもある?」
「・・っ、な、何を飲ませたの・・・っ」
逃げるように体を捩じらせ警戒する。
ああ、そんな事をしてもただ煽るだけなのに。
の肩を掴みそのまま押し倒すと逃げ場を無くすようにの顔の横に肘を置いて見下ろす。
「ちょっとだけ身体が麻痺するだけの筈なんだけど」
「・・・・っ」
「感じてる?」
服の上からでも分かる豊満な胸を鷲掴む。
違うと言いながら手を退かせようと重ねてくるのを振り払い服の中へと手を忍ばせる。
手のひらにあたる硬い突起にくすりと笑う。
「嘘は良くないな」
「やっ・・・、ほんとに、違・・・っ」
「ウソツキ」
グリグリと乳首を握りつぶすように捏ねてやれば甘い声が出される。
「可愛い・・・」
ちゅっと軽く耳に触れるだけのキスをすると、弾力のある胸を揉みしだく。
火照る体を隠したくて必死に抵抗をしようとするだがぴくりと突然腕が痙攣する。
身体が痺れて思うように動かない。
指先が小刻みに震える程度であげる事はおろか動かす事など出来なかった。
「・・・ふっ・・・ぅ・・・」
「もっと気持ちよくしてあげるからな」
「いや・・・っ!」
久々知の手がゆっくりと下腹部を這っていく。
「いつもドコを触って気持ち良くなってるんだ?」
「っ!」
久々知が何の事を言っているのかを把握したは顔を真っ赤にさせる。
袴越しに花芯のあるところを刺激されて身体を震わせる。
「そ、そんな・・・っ、し、したことない・・・っ」
「ふうん。じゃあ教えてあげるよ」
腰紐を解き一気に袴をおろすと、露にされるの大事な部分。
躊躇いもなくある一点に指を沿わせるとゾクゾクとした痺れが背中を駆け上がる。
「あぁっ・・・!」
「ほら、ココだよ」
指先でくにくにと捏ねるように弄られる。
脳天まで霞むような快感が全身を駆け巡り、思わず声をあげる。
「あっ・・・・やぁ・・・ん・・・」
「イイだろう?」
久々知の問いかけに無言で首を横に振り続ける。
あくまで頑なに拒否をするに目を細める。
「・・・まぁ、その態度をとっていられるのも今だけだけどな」
十分に赤く熟れた花芯から指を離すと、そのまま下に降りていきヒクつく場所に埋め込む。
ナカを広げるようにして入ってくる指には目を見開いた。
「いっ・・・あっ・・・」
「さて、の好い所を探すか」
髪を乱しながらいやいやと首を横に振り続けるが、久々知の動きは止まらない。
「や、やめっ・・・あぁっ」
親指で花芯を擦られながらも、内部を探るように動く指に腰が動いてしまいそうになる。
耐えるように腰に力を入れようと思っても翻弄されている状態では上手く力が入らない。
「ははっ、腰が揺れてきているぞ?」
楽しげな声色で囁く久々知にはぎゅっと目を瞑り耐える。
それでも体は正直で、与えられる愛撫にびくびくと震え反応を示す。
「あっ・・ン・・・ひっ・・やあっああっ!」
「ん?あぁ、ここか」
指がある一部を掠めた途端、の声が一際上がった。
探していたものを見つけて嬉しいのか、久々知は口の端をあげると集中的にそこを攻め立てる。
「やぁっ・・!?あ、あぁっ・・や、やだぁっ・・・そ、そこ・・やぁっ」
「気持ち良いんだろ?・・・ほら」
「ああっ!ひぅっ・・・や、やめ・・・っ」
あまりの快感にびくびくと体が震えだすのを押さえられない。
自然と逃げ腰になる腰をがっちりと押さえ込むと、容赦なく指を押し付ける。
目には涙が浮かび、視界がうっすらとぼやけ始める。
「や、やぁっ・・あぁっ、だめえっ!」
首を横に振り懸命に耐えようとするが久々知の指は止まるどころかより一層激しさを増し、をどんどん追い詰めていく。
「だ、だめ・・っ、あっ、ああっ、やあああっ!」
悲鳴に近い声をあげたのと同時に勢いよく愛液が噴出す。
勢いよく溢れ出たものは久々知の手のみならず床に深い染みが出来るほどに汚した。
埋めていた指を引き抜くとべったりとついたの愛液を見せ付けるようにして舐める。
「んっ・・・甘い」
「・・・ふっ、うっ・・・や、やだっ・・・わたし・・・っ」
恥ずかしさのあまりに泣き出してしまったにますます加虐心が擽られる。
ふるふると震える脚を大きく開脚させると愛液まみれになっている蕾に舌を滑らせた。
「はぅっ・・!あ、あっ・・・」
「こんなに出して・・・・んっ、潮を吹くほど気持ち良かった?」
「そ、そんなっ、は、恥ずかし・・・っ、ひゃっ」
全てを舐めとるように舌を這わせればびくりと跳ねる身体。
唇についた愛液を舌で舐めとると口の端をあげる。
「感じやすい身体。開発しがいがあるな」
「な・・っ、あっ・・!」
「今のに癖になって出やすくなったりして」
「やぁぁっ・・・!」
ぐちゅりと音をたてて突然突き入れられた熱い肉茎には体を大きく反らす。
ギュウギュウと締め付けてくるに耐えると、涼しげな表情さえ浮かべて腰を揺さ振る。
「もっかい、出させてあげようか?」
「やめ・・っ、やっ、ンっ・・・」
首を横に振り拒絶をするをよそに奥へ奥へと突き上げる。
逃げるように上にあがる腰を掴んでは引き寄せる。
「確かこのあたり・・・」
「!?あっ、ああっ、あああっ!」
指とは比べ物にならない程の激しい突き上げに耐えられず、またしてもは愛液を吹きだしてしまう。
ビュクッ、ビュクッと出続ける愛液を面白そうに見下ろす。
「これだけでたら舐めてもキリがないな」
「ふぇ・・っ、も、もう・・やめ・・・っ」
「触ってみる?」
の右手を掴むと無理やり結合部へと持っていく。
愛液でぬめるその部分に触れ、の頬はさらに赤みを増した。
その事実にのナカが反応して収縮する。
「・・・くっ・・・こら、締めるな」
「だ、だって・・・っ、ンっ」
の手で花芯を擦るように誘導してやると、面白いくらいに反応を示す身体。
このまま激しく何度もを突き上げるのも良い。
だけど、焦らして焦らしてその震える唇から自分を求める言葉を紡いで欲しいとも思う。
愛液で濡れたの指を口に含み、舐めとるとそのまま甘噛みしながら見下ろす。
「久々知、くん・・っ、も、もう、やめてぇ・・・」
「こんなに乱れているくせに・・・今更止めろといわれて止めると思う?」
咎めるように強く花芯を押し潰すとぴくりと跳ねる素直な身体。
食いちぎらんばかりに締め付けてくる下の口はなんと従順な事か。
それでも認めたくないのか、はただひたすらに首を横に振り続ける。
「ち、違・・っ、こんなの・・・っ、やっ」
「なにも違わない」
「ふ・・っ、うっ、や、やぁっ・・・勘ちゃ・・っ、勘右衛門、助けてっ、勘右衛門!」
ついに耐え切れなくなり泣き叫ぶようにして発せられたの言葉に動きを止める。
ボロボロと大きな雫を瞳から零しながら一心に名前を呼び続けるに頭の芯から冷えていく感覚に陥る。
「ひっく、うっ、勘右衛門・・・っ、うっ」
「・・・へーえ?」
「ひ・・っ!」
ぐっと脚を抱え込んで前屈みになり、顔を近づける。
より奥へと入り込んだ肉茎にひくりと喉を引き攣らせたを淡々と見下ろす。
「勘右衛門のこと、好きなの?」
「・・・っ」
無言でじっと睨みつけてくるに肯定だと受け取ると、くつくつと喉から笑いが込み上げてくる。
悲しくて気がどうにかした訳ではない。
今からの顔が絶望の色に染まるのかと思うと楽しくて仕方がないのだ。
「そっか、でも残念だ」
「・・・・」
「勘右衛門にはもう女がいるよ。の同室の子だけど」
「・・・!!」
みるみるうちに顔が強張り目を見開くを楽しそうに見ながら言葉を紡ぐ。
「毎晩のように部屋に来られたら確定だろ?実際に愛し合ってる所目撃したことあるし」
「・・そ、そんな・・・っ、う、嘘・・・っ」
「嘘じゃない。なんならどうやって愛し合ってたかも今教えてあげようか、実践でさ」
「・・・あぁっ」
ナカをかき回すようにグチュグチュと肉茎が動き出す。
「って可哀相な子。好きな男も親友も同時に失うなんてさ」
「・・・ひぅっ、うっ、やぁっ」
「だからこうして俺がを愛しているだろう?には俺だけで良いんだよ」
後はなにもいらない。
最奥を切っ先で強く擦られてたまらずは大きく背を反らした。
反射的に浮いた腰をしっかりと抱きかかえる。
「みたいな淫乱な子好きだよ。俺たち相性も良いみたいだし、言う事無しだな」
腰のピッチを早めて強くを揺さ振る。
先ほどとは打って変わり、抵抗する気も起きないのか快楽に委ねるように身体を預けてきたにほくそ笑む。
―――――堕ちた。
これでもうは俺のモノ。
誰にも汚される事なく、ただただ俺からの熱を一心に受け入れるだけ。
荒い息を吐くの耳に噛み付くと、掠れた声で甘く囁く。
「俺に可愛がられて嬉しいだろう?」
瞑られた瞳は何を想っているのか。
久々知の囁きに肯定することも否定することもせず、ただは黙って目を瞑っていた。
薄らと開いている唇に噛み付くようにして重ねるとそのまま最奥を突き上げて熱が迸る。
自分のモノだといわんばかりに絡み付いてくる久々知の熱には涙を流しながら意識を飛ばした。
策士のみぞ知る
後は、勘右衛門にが俺の女になったと言えば良い。
悲しそうな表情を浮かべながらも祝福してくれるであろう級友を思い浮かべる。
二人が両思いだったことを知るのは俺だけ―――。
2009.11.10
黒・・・くなった?
久々知は策士だと思う