2歳差なら全然ありだよな?
んあ、なにがって?もちろん、年の差だよ、年の差。
今年入学してきた1年生の中にやたら可愛い子がいたんだよな・・・・!
初々しいのは言わずとも知れてる事だが、なにより幼いんだよ!!凄く!
どこが幼いって?んなもん、全部だよ、全部!!
とにかくその幼い1年生――名は、っていうんだが、俺は今そいつの事で頭がいっぱいなんだ!


「けませんぱいっ、これ、どこに置きますか?」
「あ・・・っ、そうだな、そこらへんに置いておいても大丈夫だぞー」
「はーいっ」


ああ、もう可愛いっ!!!
え?ああ、今話しかけてきたのがなんだよ!
俺って運が良いのか、狙っていたが同じ委員会に入ってきてくれてよぉ!
こーんなに小さいのに(手で胸辺りを示す)一生懸命頑張っててさぁ・・・・あぁ、健気だよなぁ。
ふわふわして柔らかそうな髪とか犬みてーで超可愛い。撫でたい・・・


「せんぱーい、置きましたよー?」
「おお、ありがとな」
「わっわわっ!?や、やめてくださいよぉ・・・っ」


近寄ってきたの頭をこれでもかってくらいにわしゃわしゃと撫でた。
もちろん、背の小さいは抵抗も出来ずされるままになっている。


「か、髪の毛がぁ・・っ」
「ははは、ぐしゃぐしゃだな」
「うーっ!」


髪の毛を慌ててなおしながらも上目遣いで睨んでくる。
身長差もだが、なによりべた惚れであるにそんな事をされても食満は怯むどころかだらしなく口元を緩めるだけだった。


「はぁはぁ(今日こそ家に連れ込みてえええええ!)」
「?せんぱい、なんか息が荒いですけど・・・・・しかもなんか近い・・?」
「いやいや全然気のせいだと思うぞ」


がしっとの両肩をつかむとじょじょに顔を近づけていく。
長いまつげに、大きく開いた瞳。きょとんとした顔もなんと愛らしい事か。


「せ、せんぱい・・・っ・・・か、顔・・・っ」
「ー!んー・・・・っ!」
「何してんだよぉ!そこのペド野郎!!!!」


スパコーンッ


どこからともなくスリッパが飛んできて、見事に食満の後頭部にヒット。
鋭くつきささったスリッパにの肩から手を離すとずるずるとその場にのめりこむ。


「大丈夫?ちゃん」
「あっ、ぜんぽうじ先輩っ」


心配そうな顔を浮かべ落ちていたスリッパを拾い上げたのは食満の同級生である善法寺伊作だった。
下で小さく呻いている食満を華麗にスルー。
だがそれでくたばるような男ではなかった。


「・・・っ・・・伊作・・・!」
「ちっ。仕留め損ねたか」


勢いよく起き上がるとそのまま伊作に詰め寄る。


「何すんだよ!いいとこだったのに!」
「悪いトコだったからやってきたんだろ!」


を挟んで二人はいがみ合う。
毎回毎回食満がになにかしようとすると、止めにやってくるのは伊作だった。
こうしての危機は守られているのである。


「ちゃん、こんな危ない人のとこの委員会じゃなくて僕のとこにおいで?今からでも遅くないから」
「え、えっとぉ・・・」
「だあああっ!何言ってんだよ!はうちの!うちの子なの!よそにはあげません!」
「わ、わわわっ」


伊作から距離をとるようにを後ろからぎゅーっと抱きしめると視界にいれないように隠す。
それを見て伊作のスリッパを持つ手に力が入った。


「僕も留三郎がまともで普通の人間ならここまでしないんだけどさぁ・・・・明らかに手遅れだし」
「な、なんだとぉ!?」
「ちゃんも毎回酷使されて本当はやめたいって思ってるんじゃないの、委員会」
「!」


伊作の言葉に視線を下に向ければ困った顔をして自分を見ると目があった。
そんな・・・まさか・・・・・!
伊作の言っている事が本当ならば、俺は・・・・・!


「・・・本当なのか・・・・?」
「え!?えっと、その・・・」
「遠慮しないで本当のこと言っていいからね、ちゃん」


泣きそうな顔をした食満と笑顔で見返す伊作を交互にみやったあと、は恥ずかしそうに言葉を紡いだ。


「た、たしかに委員会は大変だし、疲れちゃうけど、けま先輩のいる委員会はとても楽しくて、わたしは好きです・・・っ」


俯くに食満はぷるぷると震えだす。
これ以上にないってくらいに強くを抱きしめるとだらしのない顔での頭に頬擦りをする。


「お、俺も・・・俺もが大好きだ!!俺たち相思相愛だったんだな!よし、今すぐ俺の家にいこう!」
「委員会だって言ってんだろ!委員会だって!!!」


スパコーンッ


再び伊作のスリッパが唸る。
そしてまた始まる二人の言い争い。
それを困ったように見守る。




今日も今日とて学校は平和です。
































動力は君








がいれば俺はなんでも出来る!







2009.11.2



初めて食満で明るいED