一目で恋に落ちる事があるんだなって思った。
ほら、あの有名な某カロイドの曲でもあるだろ。


”恋に落ちる音がした”って!


俺はもうアイツを見たときからコイツしかいないって思ったね。
誰が言おうと、もう俺にはアイツしか考えられないんだ!


あ、アイツっていうのは隣のクラスのっていう凄い可愛い子なんだけど。
本当はやばい。何がやばいってあの白く滑らかな肌。
間違いない。は豆腐の生まれ変わりだ。だからこんなにも俺を誘惑してやまないんだ!(あ、やばい、思い出しただけで勃ちそう)


ってこんなに語っている場合じゃない。
早くのところに行かないと!


・・・・うん、そうだな。今は昼の時間だから教室でご飯を食べているかも。
いやでも今日は天気が良いから屋上にいるな。よし、屋上に行こう。善は急げだ!












「!」
「ぶふっ!!」


バンッと大きな音をたてて屋上の扉を開ける。
扉を開ければ予測通りが屋上のベンチでお弁当を食べていた。


「な、な、なななんでここが分かったの!?」
「俺の頭脳をなめるなよ」
「これだから頭のいいやつは!!」


思わず吹いてしまったお茶に口元を拭っているの傍までよると、空いていた隣の場所に腰を下ろす。
すかさず自分のお弁当を片付けてどこかへ行こうとするの腕を掴む。


「何照れてるんだ?」
「て、照れてないから!断じて照れてないから!」
「じゃあ座れよ」


力強く腕を引けばあっという間には元の位置に戻る。
所詮、男と女の力の差。が久々知に勝てる事など無いのだ。
仕方なさそうにお弁当の続きを食べ始めるをじっと見つめる。


「・・・?なに、見られると箸が進まないんですけど」
「ちゅーしたい」
「はぁ!?」


素っ頓狂な声をあげるの事はお構いなしに久々知はの肩を掴むと、そのまま顔を近づける。


「ちょっ・・・ちょまっ!!!」
「待てない」
「・・・・っ、いいから待て!!!」


ベチョッ


どこから出したのか、豆腐を久々知の顔にぶつける。
その衝撃に久々知の動きが止まったのをいいことに手早くお弁当を片付けるとは立ち上がり距離をとった。


「ん・・・豆腐?」


顔面にぶつけられたものにぺろりと舌を這わせ舐めると味を確かめるように口を動かす。


「そう!豆腐よ!アンタを離させるには豆腐がいいって雷蔵に聞いたんだからっ!」
「・・・・・」


手で顔についた豆腐をとると、目の前に立つを見上げる。
心なしかふるふると体を震わせる久々知にはぎょっとして退く。


「な、なによ・・・」
「・・・っ、が、そこまで俺の事を気にしていてくれていたなんて知らなかった!」
「・・・・・・・は?」


手に握る豆腐を一口で食べると、すくっと立ち上がる。


「雷蔵に聞くくらい俺の事が気になってたんだな?それならそうと早く言ってくれれば良かったのに。わざわざ雷蔵に聞かなくても俺が直接教えてやるぞ?手取り足取り腰取り」
「ぎゃあああっ!このセクハラ!丁重にお断りですっ!!!!」


踵を返すとは一目散に屋上の扉へと駆け出した。
脱兎の如く逃げ出したの後姿を久々知は見つめる。


「・・・あんなに照れなくても良いのにな」


もぐもぐと口の中の豆腐を飲み込む。


「んー・・・次は図書室だろうな、きっと」


教室に戻らずここから近い図書室に行ったであろうを思い一人笑う。




























遠くでも君を見つけます












君の行動を予測する事など、俺には簡単な事なのさ










暫くして図書室からの悲鳴と久々知の楽しそうな声と中在家の笑い声が聞こえてきたとか。







2009.10.28



誰だこれ