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今日も私の奮闘記は続きます!
え、なんの奮闘記かって?そんなの決まってるでしょ!
変態vs(つまり私!)よ!!!
ハッ!早速嫌な予感が・・・・っ!
長くここに留まってはいけない。そんな私の直感に従うようにすばやくその場を駆け出す。
・・・・・が、遅かったようだ。
「こんなところにいたんだねっ♪マイスイートハニー☆ミ」
「ぎゃああああああでたああああああああああああっ」
ぽん、と叩かれた肩にこれでもかという程に過剰反応を示す。
ガクガクと自然と震えてしまうのはもはや本能だった。
振り返りたくない。振り返りたくない。嫌な予感しかしない!!!
「僕にこんな心配をかけるなんてってほんとに罪作りな子だよね・・・まぁ、そこが可愛いんだけどっ」
「あ、あああああの手はなしてください。お願いします。ていうか呼び捨てしないで!!!善法寺先輩っ!」
自分の言った言葉に照れて鼻をかいている伊作など、背中を向けているには知る由も無かったがとにかく早く伊作から離れる事だけをは考える。
とりあえず、この右肩に置かれている手をどうにかしなければ・・・っ!
「なに?ってば照れてるの?かーわいいーっ!僕との仲じゃなーいっ」
「え、なにこのひと。ちゃんと話聞いてる?」
「そんな照れてるが好きだよっ(バチコーン☆)」
「聞いちゃいねえええええええ」
ゾワリと鳥肌がたった二の腕を一生懸命掻きながらは叫ぶ。
こうなりゃ選択肢はひとつ!相手を油断させて逃走するのみっ!!
は肩に置かれていた手に自分の手を重ねると、くるりと体を反転させる。
そうして伊作に向き合った所で自分の中で最上級の笑顔を作った。
「善法寺先輩」
「ん?なーに?」
ぎゅっと地面を踏みしめて、勢いをつけて・・・・っ!
「トイレットペーパーとよろしくしてろおおおおおおおおっ」
「ぐっふううううううっ」
善法寺先輩の大事な所を蹴りました。
股間を押さえてその場にしゃがみこむ伊作を尻目にはさっさとそこから退散する。
本当に痛そうに堪えていて、少し罪悪感がわく。
悪いことしちゃったかなぁ・・・でもこっちだって必死だもん!正当防衛だもん!
「機能しなくなったらを満足させられないよー!」
「知らんわっ!!!!」
前言撤回。
一生そこで座り込んでろっ!!!
トゥルルルルルル・・・・・
「わっととっ」
扉が閉まる寸前に滑り込むようにして車両に乗り込む。
この時間を逃すと危うく大好きなアニメが見れない。危ない危ない。
まぁ、それというのもあそこで善法寺先輩に足止めくらっていた所為なんだけど・・・・。
「それにしても・・・凄い混んでる・・・」
自分の鞄をかばうようにぎゅっと胸で抱きしめる。
ちょうど帰宅ラッシュと重なってしまったのか、車両の中は人で埋まりほとんど隙間など無かった。
やだなぁ。息苦しいし・・・早く降りてくれないかなぁ。
電車が揺れる度に隣の人にぶつかりそうになり、慌てて足に力をこめて留まる。
滑り込みではいってしまったため、扉付近にいるは手すりが近くになく、自然と自分の足で支えなければならない。
ううっ・・・なんか酔いそう・・・・・・・・ん?
電車の揺れに頑張って踏ん張っているとふとなにかにあたる感触が。
誰かの手がお尻にあたったらしく、慌てて一歩前にでて距離をとるが、ついてくるようにしてまた手が当てられる。
え、ちょっ・・・待ってよ・・・っ!
明らかに故意のある手つきには鞄を抱く手に力をこめる。
最初は形を確かめるように撫でまわされていた手だが次第にスカートの中へと入り込んできた。
人を特定しようにも人が密着しているこの状態では後ろを振り向くことすら困難だ。
や、やだ・・っ・・・気持ち悪い・・・っ
下着の上からやんわりと揉まれ恐怖に声がでてこない。
ついに下着の端に手をかけられては息を呑む。
いや・・・・っ!
ついに手が中へと入ってこようとしてきたとき
「あの」
パシンッ
お尻を這っていた手が退けられたのと同時に聞き覚えのある声がしては顔をあげた。
自分を庇うようにして間に入ってきた人物にの目に浮かんでいた涙が引っ込む。
「この子に触らないでもらえますか?」
先ほど確かに打ちのめかした筈の善法寺伊作だった。
何で。どうして。
そう思っても言葉がでてこない。
「次の駅で降りるけどいい?」
小さく耳に囁かれた言葉にただ頷く事しか出来なかった。
善法寺は掴んでいた男の手をそのままに、電車を降りるとまっすぐ車掌室へと向かった。
もちろん、もその後をついていき、詳しい話をするはめになった。
解放された頃にはだいぶ時間が過ぎており、陽は沈みかけている。
「、大丈夫?」
「えっ・・・あ、はい、大丈夫です・・・・」
ぼんやりと空を眺めていた所に声をかけられてびくりと反応する。
今までと違う雰囲気の伊作には柄にもなくドキドキと胸を高鳴らせる。
や、やだ・・・なにドキドキしてるの、私・・・っ!
そこではたと気づく。
まだお礼を言っていなかった。
いつもいつも拒んできた相手にお礼を言うのはなんだかこそばゆい。
「あ、あの・・善法寺先輩」
「ん?」
「ありがとうございました・・・・っ」
深く頭をさげてお礼を言う。
あのとき、先輩がいなかったらどうなってたか分からないし、もしかしたらもっともっと酷いことをされていたかもしれない。
思い出すと今になって安心して緊張の糸が解けたのか、ぼろぼろと涙が溢れてきてしまった。
泣き顔を見せたくなくて、頭をあげてもずっと俯く。
「当然じゃない、だって僕はの事が好きなんだもん」
「善法寺、先輩・・・」
俯いていた顔をあげられ、目元に伝う涙をそっと拭うと伊作はにこりと微笑んだ。
その笑顔があまりにも格好良くて不覚にも胸がドクンとときめく。
今まで変な人だと思ってたけど、ここまで私の事を想っていてくれていたなんて・・・・
ぎゅっと胸元で手を握り締めるとは頬を赤く染めて口を開く。
「せ、先輩・・・あの・・・っ」
「だって、の処女は僕がもらう予定だったし?あんな訳分からないおっさんに僕のが汚されるのかと思うと黙っていられないよ!あ、そういえば人ごみでよく見えなかったんだけど、はどこを触られたの?消毒するから見せて。なーに、心配しないでよ!僕とだもん、お互い包み隠すものなんて無いでしょ?じゃあ早速近くのホテルに・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・んの・・・っ」
「?」
「へんたあああああああああああああいっ!!!!」
バッチーンッ!!!
「いったあああああああああっ」
震える手で渾身の力をこめて思いっきり伊作の頬を殴った。
後悔はしていない。むしろするはずがない。
今日も私は悪を倒したんだから
君の貞操は僕が守ります
ちょっとでもカッコイイって思った私がバカみたいっ!
(っていうかどうやって追いついたの!?)
(愛の力っ☆)
2009.10.27
なんだこれ