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「こんにちはーっ」
すっと静かに襖を開ける。
ここはにんたま長屋の善法寺伊作と食満留三郎の部屋。
開けた主は、くのいち教室のだった。
「あれ?誰もいないや・・・」
中に入り、きょろきょろと見渡す。
どうやら部屋の主たちはお出かけのようだった。
「待ってても良いかな?」
部屋の端に座り込み、ぼーっと天井を見上げる。
ここの主である食満を思い出し、僅かに頬を赤く染めた。
と食満は恋仲の関係にある。
今日ここに訪れたのも、二人で会う約束をしていた為だ。
「お互い実習ばっかりでなかなか会えなかったから、久しぶりだなぁ」
ふぅ、と溜息をつく。
早く彼の温かいぬくもりに抱きしめられたい。
そう思って静かに目を瞑ると、襖の開けられる気配を感じた。
「あれ?」
その声に伏せていた顔をあげると、部屋の主と目が合う。
しかし、来たのはの待ち人ではなくもうひとりの部屋の主、つまり、善法寺伊作の方だった。
「久しぶりだね、ちゃん」
「あ、伊作くん」
にっこりと笑ったつもりだったが、伊作はの顔を見て困ったように笑い返す。
「ごめんね、留三郎じゃなくて」
「あ、いやっ」
入ってきた伊作を見てがっくりと肩をおろしたを伊作は見逃さなかったらしい。
静かに襖をしめると、持っていた薬たちを机の上に置く。
「委員会のお仕事?」
「うん、これを整理しないといけないんだ」
たくさんの薬を一個ずつ丁寧に見ながら確認作業を行う。
伊作の手さばきをじっと見つめる。
「大変そう・・・」
「あはは、そうでもないよ。こういう確認作業は地道だけど後々助かるからね」
「うん・・・・ね、私も手伝ってもいい?」
えっと声をだした時にはいつのまにかは伊作の横に来ていていろんな薬を興味深そうに見渡している。
「この表にかいてある個数があるか確認すればいいんだよね」
「え、う、うん・・・ありがとう」
「いいよ、伊作くんだもん」
何気なく言ったの言葉が伊作の胸をうつ。
思わず震えそうになった手をぎゅっと握り締めて誤魔化すと、近くにあった薬に手を伸ばす。
「思ったよりたくさんあるんだねー」
「う、うん・・・」
近くにいるからはほんのりと甘い香りが漂ってくる。
女の子だからか、その特有の柔らかさに伊作は落ち着かなかった。
「あ・・・・紙で手を傷つけたりしないようにね?この前、一年生の子がやってたから」
「うん、分かったよ」
自分とは違い小さく白い滑らかな手が行ったり来たりするのを目を細めて見つめる。
触れてみたい。
が留三郎の彼女だと分かっているのに、むくむくと湧き上がる欲を抑えられなかった。
「いたっ」
ぼんやりとしているとの声にはっとする。
目をむけると、紙で指をきってしまったのか人差し指を押さえていた。
深くきってしまっているのか、どんどんと血が流れていく。
「だから言ったのに」
「あはは、やっちゃった・・・」
「貸して」
血が流れている人差し指を掴むとぎゅっと傷口より下を掴む。
そして洪水のように溢れてくる血を伊作は舌で舐めあげる。
「んっ」
ちくりとした痛みに思わず指を退こうとするが、力強く握られているため退くことが出来ない。
それどころかどんどんと伊作の舌はエスカレートしていき、傷口のないところも舐め始めた。
「ふっ・・・伊作、くん・・・っ・・・も、もう・・・」
くすぐったそうに身を捩るをしっかりと目で捉えて、最後にぺろりと大きく舐めるとそのままの腕を自分の方へと引く。
当然、力強く引っ張られてしまったは抵抗をする間もなく伊作の胸へと倒れこむ。
もう、我慢できない。
「伊作くん・・・?」
「ねぇ、ちゃん」
伊作の右手がそろりと胸に這わされてはっとする。
身を引こうとするが力強く握られている左手に制されてしまう。
「留三郎はどんな風にちゃんに触れるの?」
突然言われた言葉にすぐには理解が出来ずは目を見開き伊作を見上げる。
相変わらず伊作は人のよさそうな笑みを浮かべているだけ。
「・・・え・・っ・・?」
「ちゃんて結構胸あるよね。留三郎に愛されてるから?」
「ひゃぁっ」
力強く胸を掴まれて悲鳴に近いような声がでる。
形を確かめるようにやんわりと揉みしだき、服の上からも分かる位に主張を始めてきた突起に伊作はほくそ笑む。
「触ってほしそうだね?」
「あぁっ・・・やっ・・」
押しつぶすようにぐりぐりと親指を擦りつけられて、の腰がぴくんと跳ねる。
注意力が疎かになった隙に一気に腰紐をほどき、服の合わせ目から手を侵入させてインナーを押し上げると膨よかな胸が露にされる。
外気に晒されてぶるりとの身体が震えた。
「赤く勃っちゃって可愛いね」
「はぁっ・・ン・・・あっ」
赤く熟れた突起を摘んだり引っかいたりと、指先で嬲り始める。
それだけでの身体はビクビクと震え、自ずと腰が揺れてしまいそうになる。
「さすがだね・・・ちゃんと躾されてる」
「ひゃあっ・・やっ・・だ、だめっ・・・」
震える赤い突起をねっとりと舐めあげられる。
口に含み軽く甘噛みをしては、舌で責めるように押しつぶされる。
「は・・・放して・・・っ」
「うん、いいよ」
突起から顔を離すと伊作はあっさりと左手を放す。
やっと自由になった両腕に伊作の上から急いで降りようとするが、ぐるりと身体を反転させられてお腹の上で両腕を組まれてしまう。
「腕だけ、ね」
後ろからぎゅっと抱きしめる伊作は楽しそうに項に口付けた。
「やぁっ・・・あっ」
「ここはどうなってるのかな」
腰を抱く片腕はそのままに、袴の上からなぞる様にの蕾に手を伸ばす。
小さくだがクチュリと音をたてた事にの顔はこれ以上にないくらいに真っ赤に染まる。
「やっぱり、感じてたんだ?」
指から感じるの濡れた下肢に伊作は笑った。
袴越しに与えられる刺激にもどかしそうに腰を捩る。
「・・・ふ・・っ・・・あぁっ・・・」
「直接触ってあげるよ」
びくりと腰を跳ねさせた瞬間にすばやく袴をずり下げると可憐な陰部が露にされてしまう。
が伊作の腕を制そうと伊作の手をつかんだのと、伊作がの蕾に指をさしいれるのはほぼ同時だった。
「ひぅ・・・ン・・・あっ」
「熱い・・・」
中をかきまわすように指を動かすたびに、肉壁がぎゅうぎゅうと伊作の手を締め付ける。
「ひぅ・・・っ・・・や・・・だめ・・・っ」
「だめ?ここはこーんなに物欲しそうにしてるけど?」
グチュグチュッと骨ばった伊作の指が激しく抽挿する。
白い粘着液が伊作の指に絡みつき、更に滑りやすく動きやすくなる。
「うっわぁ・・・凄い・・・たくさんでてくる。そんなに気持ちいい?」
「・・・・・っ」
引き抜いた指をに見せ付けるように開いたり閉じたりをする。
その度に伊作の指に絡みついた液体がいやらしく光り、ねっとりと糸をはる。
「ちゃんは留三郎じゃなくても良いんだね」
「・・・っ!・・・うっ・・・あぁっ・・・」
今度は一気に3本も指を突き入れられ激しく抜き差しされる。
ばらばらと各々に動き回る指には翻弄されていく。
「留三郎が可哀相だよ、自分の彼女が誰にでも足を開くなんてさ」
「やぁっ・・・そ、れ・・・は・・・伊作く、んが・・・っ・・・ああっ」
「僕?自分が感じているのを人の所為にしないで欲しいな」
あいた親指で引き攣る花芯を擦ってやるとの口からは嬌声しか漏れない。
がたがたと震える腕で必死に伊作の腕をとめようと重ねられているが、今ではもう自分の身体を支えるためにしか機能はしていなかった。
「・・や・・・っ・・・あぁっ・・・ン」
「ちゃん・・・ねぇ、もう挿れてもいいかな?」
ぐっと臀部に押し当てられた熱いモノに身体を震わせる。
ヌチャリと音をたてて蕾から指を引き抜くと、腰紐を外し始めた。
後ろで聞こえる服を脱ぐ音には目を瞑り必死に首を横に振る。
「お、お願い・・・伊作くん、もう・・・これ以上は・・・っ」
「何言ってるの?ここでやめられて辛いのはちゃんも一緒でしょ」
両膝裏に手を差し入れ大きく左右へと足を広げると軽いの体を持ち上げる。
伊作の上体に凭れ掛かるようには全体重を伊作に預ける。
そうする事によって欲で濡れた己の蕾に押し当てられた伊作の熱い切っ先を直視してしまい、カッと頬を赤く染める。
「ふふっ、凄い丸見えだね。ちゃん、よく見えるでしょ?」
「やだぁ・・・っ・・・こ、こんな・・・体勢・・・っ」
「ダメだよ。ちゃんと見てて。僕がちゃんのナカに入るところ、絶対に目を逸らさないで」
近くにあるの耳に噛み付くと舌で優しく舐めあげる。
目を瞑って見ないようにしようとしているに酷く楽しげに伊作は囁いた。
「見なかったら、留三郎に言っちゃうから」
留三郎という言葉に思わずは目を開く。
その瞬間を狙って、伊作は押し当てたままだった肉茎をゆっくりと侵入させはじめた。
ゆっくりと、に見せるようにじわじわと焦らすように。
「ああっ・・・・ん・・・っ・・・は・・・ぁ」
「ん・・・っ・・・はぁ・・・ちゃんのナカ、凄い・・・っ」
囁かれるように気持ちよさそうな伊作の声が直に耳に届き、の肌は粟立つ。
縋るように後ろ手で伊作の上着を握り締めると与えられる快感に耐える。
「あっ・・・あぁっ・・・んンっ」
「ねぇ、ちゃん・・・気持ちいい?」
先ほどと同じ問いかけ。
グリグリと広げるように肉茎で押し回しながら囁かれ、思わず頷きかけるが歯を食いしばって堪える。
そんなの態度に気にも留めず、更に奥へと押し込みガクガクと頷くように揺さぶられた。
「やぁっ・・・あぁっ・・・」
「ちゃんが気持ちいいのなら僕も嬉しいよ・・・留三郎にも見せてあげたいよね。このまま留三郎が来るまで待ってる?」
クスクスと笑いながらもを攻める手は休まない。
伊作にされるがままになっていたが、彼の言葉にはっとする。
ここは、伊作の部屋でもあるがもちろん留三郎の部屋でもあるのだ。
いつ帰ってきてもおかしくない状況に、はいやいやと首を振って伊作に懇願する。
「だ・・・だめ・・・は、放して・・・っ」
「・・・そんな表情で言われてもかえって煽るだけだよ。もっと虐めたくなっちゃう。それともわざとやってるのかな」
目元にたまっている涙を舐めると、噛み付くように唇を重ねる。
ドクドクと脈打つ肉茎がよりいっそう膨らんだ気がした。
「ふっ・・・やぁっ・・・」
「可愛い・・・っ・・・ねぇ、僕を受け止めてくれる?」
何を、と発そうとした声は言葉にならなかった。
最奥まで突き上げられ、ガクガクと身体が震え大きく背中を仰け反らせる。
それを更に追い詰めるように伊作は敏感な花芯を執拗に擦り始めた。
「や・・・あぁっ・・・!」
「孕むまで出してあげたいなぁ・・・そうしたらちゃんは僕のモノだよね」
嬉しそうに呟いて、グチュグチュと音をたてて容赦なく腰を揺さ振り続ける。
「やぁっ・・・な、中は・・・だ、だめええっ・・・」
「たくさん注いであげるからね?」
ニコリと汗ばんだ顔で笑った伊作はこれいじょうに無いくらいに綺麗に笑う。
だんだんと早くなる腰の動きにはもう何も考えられなくなっていた。
「あっ・・あぁっ・・・も・・・ぅ・・・あああっ・・・!」
大きく身体を痙攣させたの身体を突き上げた時、肉壁の中で熱い飛沫が迸っていく。
「あ・・・あぁっ・・・・」
身体の奥底に注がれた吐精に呆然としていると、床に寝かされ肉茎が引き抜かれる。
ゴプリと音をたててでてきた液体を零れないようにすかさず指に絡めると、そのままのナカへと指を埋め込んだ。
「ひぁっ・・・」
「そろそろ留三郎も帰ってくると思うしね。今日はこれでお終い」
浅く指を抜き差しをして、ゆっくりと指を引き抜く。
惜しむように繋がる糸を指に絡めぺろりと舐めると、愛しげにの花芯も舐める。
「・・・ンぅ・・・っ」
「今度はちゃんの部屋でしようね。今日いじょうに愛してあげるから」
顔をあげた伊作は舌なめずりをしながら妖しく笑う。
「だって、留三郎には内緒にしておきたいでしょ?この事」
愉快そうに笑いながら衣服を整えてくれる伊作の声はの耳には入ってこなかった。
ただ、静かに目を瞑り一筋の涙を流す。
良い人の特権
まるで蜘蛛の巣にかかった哀れな蝶のように
2009.10.26
黒伊作が好きです。それにしても人が変わりすぎだ