長い間、外での実習を終えたくのたまたちが先ほど学園に帰ってきた。
何日ぶりの学園だろう。
は懐かしさを感じ、すっと目を細めて学び舎を見つめた。


「、先に部屋に戻っているわね」
「うん」


同室の子が一言声をかけると、そのまま長屋へと歩いていった。
その後姿を見つめ、もう一度学び舎に視線をうつすと見慣れた姿が目に入る。


「小平太!」
「・・っ!」


目が合い、軽く手をふってやると、慌てたように小平太は急いで走っていった。
学び舎からここへは長い距離の筈なのに、あっというまに小平太はここに辿りついている。
それでも相当急いできたのか、息が少しだけあがっていた。


「・・・・!おかえり!」
「そんなに急いでこなくても良かったのに・・・」


ぎゅうっと抱きついてくる小平太に苦笑いを浮かべながらも嬉しそうに目を細める。
温かく大きな背中に自分の腕をそっとまわす。


「ただいま、小平太」


久しぶりのぬくもり。
抱き返されたの腕が嬉しくて小平太はもっともっと近づきたいという想いをこめて、更に抱きしめる。


「ねぇ、」
「なぁに?」


内緒話をするように耳に口を寄せて囁くように言葉を紡ぐ。
くすぐったそうに肩を竦めて逃げようとするに逃がさないとばかりに軽く耳を甘噛み動きを制す。


「・・・・なにもなかった?」


今までの声音とは違い、低く脅しをかけるように問いかける小平太には目を見開く。
いつもと違う違和感を感じ、慌てて体を離すと、じっと真剣な目で見下ろしてくる小平太と目が合う。


「・・・・うん、なにも無かったよ?」
「そう・・・」


の言葉を聞いて安心したように表情を緩めると、いつもの元気な笑顔を浮かべて頷く。
そのことにほっとしてもまた笑顔をかえす。


いつもの小平太だ


先ほどの違和感が夢だったのでは、と思うくらいに彼はいつも通り。
長い実習で疲れがたまっていたんだ。
そう解釈すると、は小平太と共にお腹を満たすために食堂へと向かった。


しかし、は気づいていなかった。
自分の首元につけられた赤い痕をしっかりと小平太が見ていたことに―――。



















「ふう、おなかいっぱいだわ」


自分の部屋へと帰ってきたは久しぶりの自分の布団に顔を埋める。
実習の為に違う床で寝ていたため、ここはやはり落ち着くことが出来る。


「〜」
「どうしたの?」


襖が開いたかと思うと、同室の子が入ってきた。
そして簡単に身支度をするとさっさと部屋をでていこうとする。


「今晩おでかけしてるから、もし先生がきたらうまく誤魔化しといてね」
「・・・はぁ。おあついですねぇ」
「それじゃあね〜」


頬を赤らめながらいう彼女におおよそ推測が出来たは、小さくためいきをつく。
静かに襖をしめると、さっさと消えてしまった。
ごろん、と寝返りをうちそっと目を閉じる。


「疲れもたまってるし、今日は早く寝よう」


誰にいう事もなく、ぼそりと呟くと、はそのまま寝息をたてはじめた。


「・・・・・」


が寝静まって暫くたったあと、ふいに天井の板が外される。
そこから音も無く降り立った人物はじっとの寝息を窺う。
その人物とは紛れもなく、七松小平太だった。


「・・・」


輪郭をなぞるように指をすべらすと、そのまま己の唇を重ねた。
そしてゆっくりと口内を舌でこじあけると、の舌をそのまま絡めるように吸い付く。


「・・・っ・・・ン」


息苦しさに声が漏れるが、目が開くことは無かった。
起きそうにないを一瞥すると、の腰紐を解き、その紐で両手を拘束する。
おさえていたものがなくなり、の体が惜しげもなく晒される。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

その体に点々とつけられていた赤い痕


それを見てざわりと胸がざわめく。
小平太は仰向けで寝ているに覆いかぶさると、露になっている胸を揉みしだく。
びくりと体は反応を示すが、いまだに眠りからは覚めないようだ。


「なぁ、。起きてくれないと私もつまらないのだが」


語りかけても言葉をかえされることはない。
断続的に与えられる愛撫に時折びくりと体を震わせるだけだ。
反応を窺うようにして愛撫していた手ものちに気にせず激しいものへと変わっていく。


「・・・っ・・・ん・・・?・・・っ!?」


閉じられていたの目が開けられたのは、小平太が上勃つ乳首を甘噛みしたのとほぼ同時だった。
眠っている間にも感じてしまっていたはツンと勃つそこを嬲られて、ジンジンとした痺れが背中を走る。


「あ、やっ・・!?こ、こへ・・・た・・・・っ」


驚いて身を捩ったところで、両腕の自由が奪われているのに気づく。
ハッとして小平太を見上げるといつもの小平太はそこにはいなく、ただ無表情に見下ろしてくる。
その事が余計にを困惑へと陥れる。


「寝ていても感じるものなんだな。ここ、もうこんなになってる」
「や・・・っ・・言わ・・・なっ・・・あぁっ」


骨ばった男らしい小平太の指に敏感な花芯を掠められ、大きく体を跳ねらせる。
思わず逃げ腰になるの腰をがっちりと押さえ込むと、執拗に擦り始める。


「ん、ンんっ・・・・」
「凄い溢れてくる。私だからこんなに感じてくれているのか?それとも・・・・」


小平太の目が鈍く光る。
震えるほどの殺気を感じ、は体を固まらせる。


「・・・・・これをつけたヤツの事でも考えているのか?」
「いたいっ・・・!」


ガリッと強く赤い痕があった場所を噛まれる。
更に赤みをましたそこを見て、やっと小平太が何に対して怒っているのかを理解できた。
と、同時に誤解をとこうと懸命に口を開く。


「こ、小平太・・・っ・・こ、これは・・・っ」
「うるさい」
「あぁっ・・・ン」


まるでの言葉を聞きたくないと言わんばかりに止めていた攻めの手を開始する。
十分すぎるほどに勃ちあがった乳首を丹念に舐めながら、ぐりぐりと弧を描くように花芯を擦り続ける。
両方を同時に攻められてしまいの口からは言葉にならないものしかでてこない。


「こ、こへ・・・っ・・・ンぅっ・・・ふ・・・っ」
「イきそうって顔してるな」


小平太の言うとおりは限界だった。
ジンジンと走る痺れが大きくなり、我慢ができないようにぎゅっと目を瞑り耐える。
快楽の波に身を委ねようとしたとき、すっと小平太の手が離される。


「え・・・っ」


思わず零れるもの欲しそうな声。
その声に小平太はにやりと笑うと、自分の袴と褌をとり、己のものを取り出す。
の上体を起こしてやるとそのまま顔を近づける。


「・・・・っ」
「分かるだろ?」


そう言い突き出されたものを泣きそうになりながらもじっと見つめる。
小平太のものを愛撫するのは初めてではない。
だが、腕が使えない状態では上手く出来ないかもしれない。
先走りで先端が妖しく光り、今か今かと大きく波打っている。


「小平太・・・っ・・・腕、はずして・・・っ」
「いやだ」


の懇願も聞き入れず後頭部を掴むとむりやり口に押し入れた。
小平太のものは大きくの口ではいっぱいいっぱいだ。
顎が外れるかと思うくらいに苦しく、目には自然と涙が浮かぶ。


「・・・ふぅっ・・・ン・・っ」


そっと舌で裏筋を舐め愛撫を始める。
無理やり押さえられていた手も今や頭を撫でるように柔らかいものになっている。
は疼く身体を早くどうにかしたくて一生懸命に舌を這わし続ける。


「あ・・・っ・・・あぁっ・・・・」
「・・・可愛い・・・」


よしよしと頭を撫でてくれる小平太に目を細める。
胸の奥がきゅんと締め付けられるようで、もっと感じさせてあげたいと熱心に奉仕する。
口腔から溢れた唾液を零れないようにと啜り上げるように強く肉茎に吸い付く。
その刺激にびくりと肩を震わせると、ずるりと口腔から引き抜かれる。


「はぁっ・・・こへ、たぁ・・・・っ」
「そんなに欲しそうな顔をするな」


腕を拘束していた紐を解いてやると、は勢いよく小平太に抱きつく。
温かいぬくもりに触れての目には薄らと涙が浮かぶ。
早く小平太に言わなければ。この痕は小平太が思っているようなものではないのだと。
与え続けられた快感に理性が失いそうになるが、ぐっと堪えては言葉を紡ごうとする。


「あ、あのね・・っ・・・小平太・・・この痕は・・・・っきゃぁっ」


の声を遮るように突然蕾に指を差し入れられる。
まるで、聞きたくないと言わんばかりに。
今まで焦らされていた分、我慢が出来ずにそのままきつく締め上げて達してしまう。


「あれ、イっちゃったのか?まだ挿れたばかりだろうに」
「ふぅっ・・・あぁっ・・・や・・・っ」


達したばかりだというのにお構いなしに抜き差しされる小平太の指に、は早くもまた昇りつめて行く。


「はっ・・・こへ・・・ぁ・・・話、聞いて・・・っ」


掠れた声を必死に振り絞り小平太に訴えかけるも、まるで聞く耳を持たず。
それどころか苛立った表情を見せ、更に激しくの中を攻め立てる。


「話は全部が終わったら聞いてやる。ほら、もっかいイきな」
「あっ・・や・・・やめ・・っ・・・あああっ!」


の事を本人よりも熟知している小平太はどこが弱いのかも全て知り尽くしている。
の感じる場所を集中的に攻めると、あっというまに達してしまった。


「ふう・・・っ・・・うぅ・・・っ」


だらしなく口から涎を流し荒い呼吸をなおそうと肩で呼吸をする。
小平太はその唾液を舐め取るように舌を這わすとそのままの口を塞ぐ。
荒々しく差し入れられた舌に翻弄されての呼吸は留まることを知らない。


「ン・・んン・・・っ」


ゆっくりと顔を離すと虚ろな瞳で見つめてくると目が合う。
力が入らずぐったりとしているをうつ伏せにすると膝をたたせ、お尻が高い位置にくるようにさせる。


「まだ私はイってないから付き合ってもらうぞ」
「ひぁ・・・っ」


ぐいっと持ち上げられるように腰を掴まれる。
やっと小平太のものを受け入れられる。
そう思っては来るであろう熱いモノに待ち望むかのように目をぎゅっと瞑る。


「・・・っ・・・えっ・・・」


ぐっと押し当てられた場所に目を大きく見開き思わず声が漏れる。
小平太が押し当てた所はが望むところでは無かった。


「私はここに挿れたい。だからここに挿れるからな」


そう言って熱く堅い切っ先が押し付けられた場所はまだ誰も受け入れた事などないお尻の孔。
は大きく目を見開くと逃げるようにと腰を退かせる。
だが小平太の大きな手で支えられている以上逃げ出すことなど出来ない。


「やっ・・・嫌だぁっ・・・いやっいやぁっ」
「ここはまだ誰も挿れてないのだろう?の初めては全部私のものだ。誰にも渡さない」
「そ、そんな・・・っ・・・はいらないよっ・・・やぁっ」


ぼろぼろと大きな涙がの目から流れ落ちる。
の愛撫で更に膨らんだ小平太の肉茎は恐ろしい程に大きくなっている。
そんなものが一度も挿れらたことのない場所に挿れられようとしているという恐怖にはがたがたと体が震えだす。


「嫌・・・っ・・・怖・・い・・・っふぇ・・・っ」


先走りを擦り付けるように軽く前後に往復する。
ぎゅっと指先が白くなるほどに敷布団をつかみ、目を瞑り耐える。
がたがたと震え怯えている様は、まるで処女の時に抱いた時のようで、小平太はごくりと喉を鳴らす。


「すごい、興奮する・・・っ」


舌なめずりをしながらの背中に覆いかぶさるように抱きしめると、震える耳に軽く噛み付く。
そのまま項、肩にと口付けを落としながら引き攣る花芯に指を擦りつける。


「あぁっ・・・ンんっ・・・ンぅっ!」


突然の刺激にびくりと大きく体を震わせるとは声をあげる。
緊張の糸が解れたのを察すると、押し当てたままだった肉茎を小平太は一気に突き立てた。


「あああっ・・・・いっ・・・や・・・ぁ・・・」


狭い内部を押し広げられていく感覚に身体を引き攣らせ大きく仰け反る。
きつく締め上げてくるにぐっと歯を食いしばり耐えると、少しでも力を抜かせるためにより一層花芯を嬲ってやる。
そうすると悲痛なの声に少しだけ善がる声が混ざりこむ。


「ひぅっ・・・あっ・・・・や・・・ン・・・っ」
「・・・は・・・ぁ・・・っ」


いつもより荒く感じる小平太の呼吸を耳に感じる。
グリグリと入り口を広げるように肉茎を押しまわされる。


「やっ・・・ああっ・・いっ・・・」
「初めてなのに感じるのか・・・本当には淫乱だな」
「・・やぁっ・・・ン・・・っ」


奥へ奥へと突き立てられる度に今まで感じたことの無いような快感が背中を駆け抜けていく。
の表情からはもう痛みを感じているようには見受けられなかった。


「この様子なら・・・こっちでもイけそうだな・・・っ」
「はぁっ・・あぁっ・・こへ・・こへ・・・っ・・・い・・っ・・・いっちゃう・・・っ」


すがるように敷布団を握り締めながら啜り泣くような声色では声を漏らす。


「・・・・・・っ・・・ぁ・・っ」
「あぁっ・・・・・あ・・っ・・・あああアっ!」


ビクビクと脈打った肉茎が身体の中で大きく弾ける。
小平太が放つ熱い欲望を受け止めながら、は意識を離した。



















「・・・・・・」


二人の間に重い沈黙が流れる。
情事が終わり、小平太が全て後始末をした後、薄らと目を開けたに小平太はぎゅっと抱きしめたのだが、は声を一言も発さずあろうことか抱擁を止めさせるとそっぽを向いてしまった。
の機嫌はご機嫌斜めだった。


「・・・・」


さっきの暴君らしさはどこにいったのか、今ではシュンとご主人に怒られた飼い犬のようになっている。
ちらりとを見てもは自分の方を見ようとはしない。
どうしたら自分の方を見てくれるだろうか。
一生懸命考えても良い考えがちっとも浮かばない。
沈痛な面持ちでを見つめていると、ふいにと目が合った。


「小平太」
「な、なんだ・・・」


じとりと見つめられてドキリとする。
こんな時でもやっぱりが可愛いと思ってしまう自分はとことんから抜けられないのだろう。


「まず・・・ごめん。このこと黙ってて」


そう言っては自分の胸元を指差す。
最初よりも赤みを増しているそれに小平太は目を逸らした。


「でもこれは小平太が考えているようなものじゃなくて、女の子につけられたものなの」
「お、女ぁ!!!?」


の言葉に思わず大きな声をあげたが、ここは仮にもくのたま長屋。
男の声が聞こえたとなると、いつシナ先生がやってくるか分からない。
咄嗟に小平太の口を押さえると、もごもごと何か言いたげに口を動かしている。


「そう。同室の子にね。練習したいからって言われたから教えてあげたの・・・・」


小平太につっこまれる前に全てを言ってから手を離す。
それでも魚のように口をパクパクと開閉しながら信じられないような目でを見つめる。


「な・・っ・・・なんでが教えるんだぁ・・・!?」
「っ!!そ、それは・・・っ」


ぼっと火がでるように顔を真っ赤にさせては言葉を詰まらせた。
何かあるのではないか、と小平太はじぃっと見つめ続けると、観念したようには口を開いた。


「わ・・・私が・・・小平太に痕をつけてあげたとき・・っ・・凄く・・・喜んでくれてたから・・・嬉しかったっていう話をしてたの・・・・っ!」
「!!」
「そ、そしたらその子もしたいっ!って言って・・・・・・・っ」
「!!!」


ガバッと勢いよく飛びついてくる小平太。
もちろん、に支えられる訳がなく、そのまま敷布団に押し倒されるようにして倒れこむ。


「小平太・・・っ」
「嬉しいぞ、!あの時は無理に頼んだようなものだったから、本当は嫌だったんじゃないかと心配してたんだ」
「嫌なわけ、ないじゃない・・・」


至近距離で見つめ合う。
小平太は頬にかかっているの髪をそっとどけてやると頬に口付けた。


「私は・・・・のこの痕を見て、私の元を離れていってしまうんじゃないかと思ったんだ。いつまでも一緒にはいられないんじゃないかと」


そう言いを見下ろす小平太は痛々しい程に辛い表情を浮かべていた。
は目を細めると自分から小平太の唇に口付ける。


「私は小平太が好きなの・・・小平太が私を捨てないかぎり」







どこにもいかないよ(いけないよ)








「私がを捨てるなんて有り得ない」
「ふふっ、そう言ってくれる小平太が大好き」







(お互いに離れる事など考えられない)



















2009.10.24



正直えろくなくても良かった。無駄に長い。そしてよく分からない。
だけど暴君な小平太かきたかったからエロいれました(なってないかもだけど)
そしてやっぱり犬こへになるクオリティ